ギター演奏の面白さを伝える仕事に興味
もともと、レッスンそのものが好きでした。きっかけは、高校生のときに初めて受けたギターレッスン。当時は、高校生らしく専ら日本のメジャーバンドの演奏をコピーしていたのですが、海外での演奏活動を経て日本に帰国した講師から、ジャズの奏法やアドリブでのプレイを教わり、ものすごく大きな刺激を受けたのです。レッスンを通して、ギターという楽器の魅力や面白さを知るのがとにかく楽しかった記憶があったので、自分がギター講師になって人に教えることに興味がありました。
大手教室ならではの安心感と
同僚講師の人柄が決め手
実は、私の島村楽器での講師歴は、2回に分かれています。1回目は、音楽の専門学校を卒業して少し経った20代前半からの約6年間。ソロアーティストとして本格的に活動を開始する前のタイミングで、島村楽器のギター講師として「音楽の仕事」の一歩を踏み出しました。1回目のときは、島村楽器への親近感が決め手だった気がします。もともと、当時住んでいたエリアにあった島村楽器の店舗をよく利用していましたし、大型ショッピングモール内にある島村楽器の店舗を目にする機会も多かったので、とても身近な存在でした。
島村楽器での講師の仕事を続けながら、演奏家としての活動にも並行して取り組みました。そのうち、自身の活動の幅が徐々に広がっていき、固定の曜日で行うレッスンとの両立がだんだん難しくなっていきました。そこで、30歳前後の節目のタイミングで、一度演奏活動に専念する決心をして、島村楽器を卒業。ここまでが1回目になります。
それから個人の活動としては、ソロ名義のCDのリリースや、音楽フェスへの出演、CMやゲーム音楽のレコーティングへの参加など、数年の間にかなり充実した日々を送ることができました。また、この間にも、自宅での個人レッスンは、可能な範囲内で続けていました。
そうして数年が経ち、改めて、ギターの奏法や理論を研究する面白さや、その成果を人と共有することの喜びを強く感じるようになりました。そこで、音楽教室に所属して演奏指導を行う講師職へのカムバックを決意。かつてお世話になった先輩講師や同僚にも背中を押してもらい、島村楽器での講師生活2回目をスタートさせました。その際の応募の決め手は、何より周囲の皆さんのお人柄です。また、以前と変わらず快適な職場環境もやはり魅力でした。
レッスンの中で生まれる
コミュニケーションが喜び
現在は、週に4回、小学校入学前の小さなお子様からシニアの方々まで、幅広い年齢層の会員様へのレッスンを行っています。ご自宅の環境や、練習への取り組み方の個人差が大きいので、指導のスピードや内容は一人ひとりの会員様に合わせて工夫しています。とくに小さなお子様の場合は、テキストを見ながら弾いたり、言葉で説明したことを頭で理解して試したり、というマスターの仕方ではなく、何度か同じことを繰り返すうちに「体で覚える」感覚なので、大人の方を指導する場合とは違った難しさはあるものの、こちらの予想を遥かに超える上達を示す瞬間がしばしばあって、子どもならではの感覚の鋭さにハッとさせられます。
また、大人の方に指導する場合は、自分が奏法や理論の研究を通して得た気づきを、一人ひとりに合わせて伝え方を工夫しながら共有する絶好の機会となっていて、そこで生まれるコミュニケーションが私にとって大きな喜びです。自分自身が、高校生のときにレッスンを通してギター演奏の奥深い世界に触れ、その魅力に目覚めた経験を持つので、会員様にとってもそんな機会を作り出せたらと思っています。
今後は、キッズギターのイベントや、自身の得意ジャンルであるボサノバやジャズギターに特化したイベントの企画、また10代の若者をターゲットにした既存のジャンルにとらわれない教室の開講といったことにもチャレンジしてみたいと考えています。
愛犬との時間でリフレッシュ
休日は、2匹の愛犬とゆっくり過ごします。自宅近くに海があるので、海岸線を散歩したり、ペットも同席できる飲食店に連れていったり。私が室内でギターを弾いているときも、大人しくしています。アコースティックギターの場合は、ふと目をやると2匹揃って眠りこけていることも少なくありません(笑)。
何と言っても、業界屈指の楽器店であるため音楽教室としての認知度が高く、個人経営の教室にはない安定感・安心感がある点は大きな魅力だと思います。また、会員様の募集や、レッスンで使用する楽器や機材に関するサポートも得られますし、講師向けのセミナーや講習も定期的に開かれるので、情報交換の機会にも恵まれています。幅広いジャンルの講師がいらっしゃるので、その点でも良い意味で刺激があります。自分自身の音楽活動とプライベートの両面において、大きな糧を得ることができる職場だと感じています。