島村楽器の理念と歴史
島村楽器の理念
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01
音楽の楽しさを提供し、音楽を楽しむ人を一人でも多く創る
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02
企業として進化し、永続するために必要な利益を上げ、社会に必要な仕事を創造しつづける
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03
仕事を通じて従業員一人ひとりが人間として成長し、楽しく自己実現を図り、公私共に豊かな人生にする
この理念を大事にしながらお客様に支持される魅力的な人創り・店創りを進め、島村楽器が「音楽の楽しさ」を世の中にもっと提供できる企業として成長し続けて参ります。
島村楽器の歴史
創業期[1962年〜]
島村楽器の創業者・島村元紹は、1933年東京都江戸川区平井生まれ。早稲田大学に進学するも、父親の他界のため、大学を中退し家業である島村文具を継ぐ。
1962年、島村が28歳のころ、日本楽器製造(現ヤマハ株式会社)の勧誘によりヤマハ音楽教室を開設し島村楽器を創業。文具店が音楽教室を開設することは珍しく、日本経済新聞でも取り上げられる。
1969年、教室の生徒を対象にピアノやエレクトーンの楽器販売をスタートさせ、島村楽器株式会社を設立。その後、都内に8カ所の音楽センターを開設し、教室事業を軌道に乗せる。
店舗展開初期[1976年〜]
1976年、ギターなど軽音楽楽器(L.M.)専門店を東京・平井駅前にオープン。音楽教室に加え、録音スタジオや練習スタジオまで併設したソフト主導型の楽器店舗は非常に珍しかった。また、同年に大学新卒者の定期採用を開始し、人材育成と事業拡大に向けての土台作りも本格化。
1979年、本八幡ピアノ&エレクトーンショップ、1981年にL.M.国府台店をオープンさせ、音楽教室だけではなく楽器専門店としても成長を始める。
1982年、初めてのショッピングセンター(SC)店舗としてMusic Hot Lineジャスコ葛西店をオープンさせて以降は、SCを中心に店舗を出店。楽器だけでなく、付帯するアクセサリーやデジタル機器、楽譜まで取り揃えた総合楽器専門店としての地歩を固めつつあった島村楽器は、ハードではなくソフト主導型であることを改めて明確にするため、出店に際しては音楽教室と練習スタジオを併設した形態を確立し、また現在まで続く経営理念を明文化した。
経営理念に沿って、各店舗独自で企画したイベントが数多く開催される。有名ミュージシャンによるコンサートやクリニック、アマチュアバンドコンテスト「HOTLINE」、公開レッスンなど今もなお続くイベントも少なくない。
全国展開の開始[1991年〜]
70年~80年代に地元である東京東部と千葉県での足場を固めた島村楽器は、1991年3月にオープンした名古屋パルコ店を皮切りに、関東地方を越えて全国展開を図っていく。
1989年~1998年の10年間で日本全国に約50店の店舗をオープンさせて売上は3倍以上に増加し、楽器専門店として国内大手企業にまで急成長する。この全国展開を機に、「HOTLINE」コンテストも1996年から全国規模の大会に発展する。
顧客のニーズをより深く追求し、島村楽器独自のストアブランド(SB)商品や、音楽制作ソフトなどを開発・商品化し始めたのもこの頃であった。音楽制作ソフトに関連し、1998年に発売された初代iMacの日本最初の販売代理店二社の一つにもアップル社により選ばれた。
現在に続く経営基盤の確立[1999年〜]
1999年~2001年の3年間に合計20以上の店舗を新規オープン。それ以前の1990年代の出店先がパルコに代表される都市型商業施設が多く、主力商品も若者向けのギターやデジタル楽器であったのに対し、この頃からイオンモールに代表される郊外型ショッピングセンターへの出店が主力となり、ファミリー客層向けの電子ピアノや管楽器などの売上比率が上昇。現在の出店フォーマットの基盤が確立。
また、1990年代から展開していた島村楽器独自ブランド商品について、低価格だけでなく中価格帯の強化を開始、2001年に旗艦ブランドのHISTORYギターのラインアップを大規模刷新。2000年からは電子ピアノのコラボレーション商品の発売を各メーカーと開始し、ヤマハ、カワイ、ローランド、カシオの世界主要電子ピアノブランドと20年以上にわたりコラボレーション商品の販売を継続。他にもギターのMartin, Taylor, Gibson, Fenderといった世界主要ブランド、管楽器のヤマハ、Altus, Cannonball, Pearlはじめ、様々な商品カテゴリーにおいて有力ブランドとのコラボレーション商品を開始し、特徴ある品揃えを実現。
音楽教室では大人の会員様向けのイベントとして2004年にYOUR STAGEを開始。2005年からは毎年ブルーローズ(サントリーホール小ホール)で開催し、当初は2日間の開催イベントが、後に1週間にわたり約600名の会員様がピアノやサックスの演奏を披露されるイベントに規模を拡大。また、従来から開催していたピアノコンクールに加え、2003年に管楽器・弦楽器・声楽の音楽コンクールを開始。現在では、毎年紀尾井ホールにて本選会を開催し、日頃の練習の成果を試されるために約1,000名の方が予選会に参加されるコンクールに成長。
人材育成面においても、2003年に代官山音楽院(2019年閉校)を開校し楽器業界で活躍する技術者や演奏者の育成を開始。1,000名以上の卒業生を送り出し、メーカー、卸、小売店と楽器業界で活躍するとともに、島村楽器も新卒採用と中途採用で技術者を毎年採用、育成。現在では、ピアノ、ギター、管楽器、弦楽器で合計100名以上の楽器技術者を擁し、楽器販売だけでなくリペアサービス拡充の原動力になっている。
100年続く企業へ[2013年〜]
2012年に創業50周年を迎え、100年目に向けた折り返しの翌2013年に創業者の島村から現社長の廣瀬利明に社長交代。3つの経営理念に沿って、島村楽器が楽器演奏人口の拡大に永続的に寄与し、従業員がやり甲斐を持って働き続けられる環境の整備を進める。
人事制度全般の整備、育休復帰社員の活躍をサポートするための保育手当などの取り組み、社員のライフスタイルの多様化(育児・教育・住宅・介護等)に対応する制度の導入、楽器別の専門資格制度をはじめとした研修体制を強化するなどし、従業員が長く働きやすくするための環境改善とモチベーションアップにつながる仕組み作りを行う。
ネット販売やマーケティングを強化し、お客様がリアル店舗でもネットのどちらでも購入しやすいようにOnline Merges with Offline(OMO)の推進。楽器販売と音楽教室に留まらず、お客様の楽器演奏生活に不可欠な修理や楽器延長保証をはじめとした周辺サービスも充実させるため『楽器プレイヤーのトータルサポート』を当社のスローガンとして掲げる。2015年の中国への出店(2020年に閉店)や2020年の現代ギター社買収に代表される新規事業への挑戦、企業の社会的責任(CSR)への取り組みなど、お客様に100年支持され続ける企業を目指す。
総合音楽企業へ[to the future]
楽器小売業の枠を超え、経営理念を実現するためにあるべき姿を追求する島村楽器。2024年2月期には売上が450億円を超え、国内市場での存在感は増す一方だ。近年では、オンライン購買傾向の高まりに併せたオムニチャネル戦略、専門性を高めた店舗戦略など、市場の動向に対応する事業展開も強化し、新たな挑戦を続けている。「失敗を恐れずチャレンジし、変化し続ける」姿勢。それは創業者/島村と社員たちが築き上げ、そしてこれからも受け継がれる島村楽器のDNAだ。島村楽器は、そのDNAを原動力とし、総合音楽企業への歩みを着実に進めていくだろう。
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