3日間を予定していた技術交換会。思わぬオジマとビルダーたちの意気投合により、2日間で全行程が完了したため、Jim号で木材屋さんに行く事に。
せっかくなので「現地選定材モデル」を木材選定からやってしまおう、となりました。
勝手に発注しても大丈夫かな…ボソッ
細かい事は気にせずに行きましょう! 怒られたら怒られたで、まあいいです。(←海外に来て気が大きくなっている)
◾︎一路木材屋さんへ
メダイナもなかなかの田舎ですが、さらに田舎へと車を進めます。
到着です。Keim Lumber Company。中に入ると、思っていた以上に広大で、しかも日本のホームセンターのように明るい感じです。
Keimは、アーミッシュと呼ばれる、電気や車とは無縁の、開拓時代の生活にこだわって生きるドイツ、オランダ系移民が運営するショップです。
アーミッシュは車を使わず、馬車で移動します。ここまで来る途中に、多数の馬車に遭遇しました。写真に写ることを嫌う彼らを尊重し、撮影はしてませんが、優雅な自然派生活を地で行く彼ららしい感じでした。
リペアマンオジマは工具コーナーから離れようとしません。さすが工具オタク。
工具コーナーから離れないオジマをなだめつつ、いよいよ木材コーナーに突入。エボニー類コーナーではエボナイトだけでなくマッカーサー・エボニーやブラック&ホワイトエボニーまで豊富な品揃え。
工具に続いてオジマの心を捉えたのはジリコテ。
確かにこの杢はたまらんです。
商品名に"Apple"と書かれたこの木は、読んで字のごとくリンゴの木。リンゴもこんな美しい杢を宿すんですね!
紫の縞模様が美しいこれはなんとシダー。「アロマティック・シダー」と言います。北米原産、ヒノキ科の木で、木乾比重0.5以下で、アコギでも使われる事があるそうですが、エレキギターのトップとしても良質なトーンウッドだそうです。
ふと立てかけてあったウォルナットに目が行きます。
…バール材。ウォルナットにもバールは存在するという事に驚きつつ、その杢に目を奪われます。
すると、店員さんが寄ってきて「バール材に興味あるなら、倉庫に行ってみるかい?」と。え? ここにある物が全部じゃないんですか? 行く行く!!
エレベーターで上の階に着くとそこに広がっていたのは天国、いや木材の豊富なストック。
オジマと比べてもこんなに大きな材がズラ〜〜〜〜っと並んでいます。なんてスケールなんでしょう!
「バール系はここだよ」と案内されたのがこちら。
うーん、スゴイ。まず材自体が大きい。
スタッフのロイ、「ウォルナット・バールならこれなんかどう?」
? あまり杢が無いようですが…
「ちょっとシンナーで塗装した時のイメージにしてみるから待ってて」とシンナーを染み込ませた布でゴシゴシ。
年輪とバール杢、ストライプ杢が折り重なって複雑な模様を生み出しています。これは素晴らしい!
という事でJimと相談してこの材を使用したギターを作る事にしました。そのギターの中身についてもその場で話が盛り上がり、スペックがあっという間に決定。ぜひ楽しみにしていて下さい♪
ちなみにこのKeim Lumber Company、超のつく田舎にあるのですが、ギター職人が良質な材を求めて遥々訪ねて来るらしく、ギターの型も準備されています。これを木材にあてて、仕上がりをイメージするのです。
自然派であるアーミッシュが経営するレストランで、アメリカらしからぬお腹に優しい昼食を摂って、工房へ戻るべく車を飛ばします。
途中、アーミッシュ印のチーズ屋さんなどに立ち寄って、Jimたちはたくさん買い込んでいました。確かに美味しそうでしたよ。
そういえば「アーミッシュって電気とは無縁の生活」って事でしたが、木材屋さんもレストランもチーズ屋さんも、室内灯が煌々と点いてPOSレジを打ち、取引先と電話をしていたけど、いいのかな…?
と思ったらJimが「仕事ではOKなんだ。家に帰るとロウソクでの生活だし、洗濯機もないよ」と。そういうことね!
アーミッシュたちはドイツ系である事からなのか、非常に勤勉で真摯なのだそうです。そして思いの外フレンドリー! アーミッシュたちに興味が湧きます。
今日は我々のアメリカ最後の夜という事で、Jimが手料理でもてなしてくれるそう。Jim宅に行くと、エドガー、ハイディがお迎えしてくれます。非常に人懐っこくて、番犬としては全く意味をなさないと思います(笑)
Jim宅に行く前に、Jim、Aaron、Chrisと共に工房前で記念撮影。今回の工房訪問も非常に身のある、素晴らしい内容になりました。
現在オーダー中のギターも製作進捗を確認でき、お客様から頂いているオーダー内容もチェック。さらに材を共に選定して新たなスペシャルモデルの予定も。
常に新たな事にチャレンジしているS7Gの今後に、さらなるご期待を寄せて下さい!!