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音楽教室だより

悩める吹奏楽部の皆さんを応援!「困った」に合わせた練習方法をご紹介します(金管編)

「できない」を減らし、より楽しく演奏を!

夏休みに吹奏楽コンクールの地区大会が終わり、次の大会に向けて練習をさらに頑張っている学生さん、先輩が引退して「これからパート練習など、どうやって進めていったらいいんだろう?」と悩んでいらっしゃる学生さんも多いと思います。

また、今年度からスタートした部活動を対象としたガイドライン設定(文化庁)に伴い、各学校の部活動の練習時間が削減されている学校も多いようですね。

今回はそんな悩める学生さんの力になりたい!ということで、ユーフォニウム科講師の根本先生に「練習方法」についてのお話を伺いました。

ユーフォニウム科講師・根本

それではさっそくご紹介します!


練習について考える

こんにちは、ユーフォニウム科講師の根本です。
今回は限られた時間のなかで、どのように曲に向き合い練習をしたら、「できない」が減り、より楽しく練習ができるか、練習の考え方をご紹介したいと思います!

私の担当楽器はユーフォニアムですが、ユーフォニアムだけでなく、トランペット、ホルン、トロンボーン、チューバなど、金管楽器の皆さんに、読んでいただけたらと思っています!

譜例も合わせてご紹介していますが、音部記号や調号を省いてご紹介しますので(加線が多すぎる楽譜もありますが)、それぞれの楽器の楽譜に見立てて、こんな楽譜あるある…と見ていただけると幸いです。

練習の考え方

まずは基本の考え方から!
みなさんは、できないフレーズがあったとき、どんな風に練習していますか?

「できるまで何度も何度も繰り返し練習する」という方法も一つかもしれませんが、逆に苦手意識がついてしまったり、練習が楽しくなくなってしまったりするともったいないですね。別の方法も考えてみるとよいかもしれません!

曲の練習には

  1. 少し負荷をつけて本番で楽に吹けるようにする練習
    • フレーズの最後の音を倍の長さに伸ばしてみたり
    • 基礎練習にハイトーン練習を入れたり
    • 速いテンポの曲をインテンポ以上でも練習してみたり
  2. 少し楽にして、落ち着いて楽譜の動きや演奏に集中できるようにする練習

と、それぞれあると思います。

今回は後者。楽譜を単純にしたり、少し楽になるように工夫して、注意するポイントを限定してみる練習方法を紹介します。

楽譜の特徴を知ろう

できないフレーズをよく見て、特徴を把握してみましょう!

楽譜の特徴や、できない原因、自分に足りていないなと思う部分を見つけられると、練習のポイントが見つかりやすくなります。

例えばこんな楽譜ですが…

休符を含むフレーズ

このように音の動き方の特徴を観察してみるだけでも演奏しやすくなったりしますよ!

音の高低を手で表してみるとどう動いている?
1小節目より2小節目の方が音が上がっている
1〜2小節目より、3〜4小節目の方が音の数が増えている…など

難しいポイントを具体的に

楽譜の分析ができたら、今度は自分にとって「何が難しいか」をできる範囲で具体的に拾い上げてみましょう。

たとえば、こんなことで困っていませんか?

  1. 楽譜が複雑でなかなかうまくいかない
  2. 休符を含むフレーズが遅れがち
  3. ブレスがとれない(吸えない)
  4. スラーが上手くつなげられない
  5. 高い音への跳躍が難しい

今回、この5つの「困った」にあわせて譜例を用意してみました。それぞれの練習の仕方を一緒に考えてみましょう!

その1:楽譜が複雑でなかなかうまくいかない

複雑な動きの練習

この譜例の場合、「リズムでつまずく」パターンと、「音の多さにつまずく」パターンと、それらの混合パターンとあると思います。それぞれに対して対策を考えてみましょう。

練習方法

1. リズムを抜き出して練習してみよう

よくある練習方法ですが、まずは手拍子などで楽譜のリズムだけ抜き出して練習してみましょう!難しいリズムはタイを外してみたり、リズムを言葉に当てはめてみるとわかりやすくなりますね。

2. リズムをなくして吹いてみよう!

今度は楽器で、リズムをなくして(お経のように)楽譜で使われている音を一定の速さで吹いてみましょう。指や音がわからずにつまづいている場合はこの方法がとても効果的です。

3. 音を減らして練習しよう

フレーズの最後の方がごちゃごちゃっとしてしまう場合は、苦手なフレーズを以下のように、

音数を減らす

  1. 4〜1拍目の動きだけ
  2. 3〜1拍目の動きだけ
  3. 2〜1拍目の動きだけ

というように抜き出して、だんだん吹く箇所を前に増やしていくと、練習しやすくなります。

その2:休符を含むフレーズが遅れがち

休符を含むフレーズ

ウ(休符)タラララー、という管楽器が苦戦しやすいフレーズの譜例です。

練習方法

1. 小節の頭の音だけを伸ばしてみよう

3拍子の感じになれるために、オレンジの丸で囲った音を、ウターーーー、ウターーーーというように拍子通りに吹いてみましょう。休符を意識しすぎず、ロングトーンのようにいい音で吹けるとよいですね!

2. 小節の頭の音だけで、リズム通りに練習してみよう

同じく小節の頭の音(オレンジの丸の音)を使って、3拍子の感じや、ウタタターと休みや伸ばしを含むリズムのみの練習をしてみます。それぞれの音に息をしっかり入れてみましょう。

3. 音を増やしてみましょう

1〜2の要領で音を増やしてみましょう。まずは紫の四角で囲った音からスタートしてみてください。

その3:ブレスがとれない(吸えない)

ブレス取りにくいフレーズ例

メロディなど、吹けることには吹けるけど、休符がなかったりフレーズが長かったりして、ブレスがうまくとれない、という譜例です。

練習方法

1. ブレスの位置を考えてみよう

初めての方など、ブレスがなくなったところで吸う、毎回ブレスの場所が変わる、ということがあると、演奏に余裕がなく聞こえてしまいます。
歌ってみたり、他の方の演奏を聴いてみたりして、ブレスの場所(目標)を決めてみるといいかもしれません。

また、本番緊張してたくさん吸えなかった、思っていたところで吸えなかった場合も考えて、予備の場所(カッコを付けたVのところ)を考えたり、練習しておくことも大切です。

ブレス位置を考えてみよう

2. 指と息だけで練習してみよう

フレーズの長さや、そのフレーズにどれくらいの息が必要かを体感するため、音を出さずに指と息だけで練習してみましょう。

その4:スラーが上手くつなげられない

リップスラーを含むフレーズ

メロディーや対旋律をイメージした譜例です。
スラーの中に一部同じ指使い(リップスラー)が含まれていたりすると、余計に難しく感じるポイントになりますね。

練習方法

1. かえ指を使って一時的にリップスラーを回避

例4の3〜4小節目などは、赤字(ユーフォニアムの場合)のようなかえ指を使用することもできます。一時的にリップスラーを回避して吹いてみて、音の流れを覚えてきたら元の指使いに戻してみると、吹きやすくなったりします。

かえ指例

※かえ指の多用は、音色や音程が悪くなることもあるので注意してください。

2. リップスラーのパターンを抜き出して練習してみよう!!

基礎練習に、曲で使うパターンの練習を取り入れてみましょう。
「これができたら、もっと曲が吹きやすくなる!」と思うと、基礎練習もより集中して取り組めますね。

その5:高い音の跳躍が難しい!!

ハイトーンへの跳躍を含む練習

ハイトーンがフレーズに出てくるとドキドキしてしまいますね。
普段なら出せる音が、跳躍だと出なかったり、跳躍があるフレーズ全体(高い音以外も)が吹けなくなってしまったりすることもあるようです。

練習方法

1. 吹ける音域の動きだけを大きな、いい音で吹いてみよう

高い音への跳躍があるフレーズは、その前の音がおざなりになってしまったり、高い音の後の動きまで吹けなくなってしまいがちです。跳躍の前の低い音をいい音で吹くことで高い音も出しやすくなってきますので、「逃げ」だと思わず、高い音以外の動きをまず磨いてみましょう。

2. 跳躍の動きを取り出して練習してみよう!

  • 聴いてみる/歌ってみる

まずは黄色く丸をした2つの音だけで構いませんので、ピアノなどで弾いてみて、音を確かめてみましょう。実際に声を出して歌ってみるのもよいですね。冷静に音を聴いて歌ってみるだけでも、高い音が出しやすくなったりします。

  • 跳躍を半音階などで埋めてみる

ド~ラという跳躍だとすると、ド・ド#、ド・レ、ド・ミ♭、ド・ミ、ド・ファ…ド・ラというように、だんだん音の幅を広げてド・ラまでの跳躍の練習をしてみると、どれくらいの距離が離れているかわかりやすくなります。
楽譜がわからない方は、運指表を見ながらトライしてみましょう。

  • 音をずらしてみる

ド~ラという跳躍が吹けない場合、運指表を見ながらそれぞれの音を半音ずつ下げて練習してみましょう。(ド~ラ→シ~ソ#など2つの音の距離は変えずに)
息のスピードのあげ方や口の使い方を少し楽な音域で練習できます。

吹ける!楽しい!も大切に

今回は「できない」を減らす、という視点で練習方法を紹介しましたが、「吹ける」「楽しい!」と感じる箇所をさらに磨くことも、他の部分の上達につながります。

特にはじめたばかりの学生さんなどは、楽譜の最初から順番に練習していて、最初の方にわからない箇所があると、そこにかかりきりになってしまい、そのあとの吹けるところがあるのに練習できてない…ということになりがちです。
そういう場合はメロディーなど、わかるところからどんどん練習してしまいましょう!


以上、根本先生からのアドバイスでした。

今自分困っていることはどれが近いか?を振り返って、ぜひ参考にしてみてくださいね。

レッスンで一緒に練習しましょう!

島村楽器の音楽教室は生徒さんお一人お一人に合わせてレッスンを組み立てています。吹奏楽のパート譜などをレッスンに持参いただいて、一緒に吹いたり、ご自身に合った練習ポイントをお伝えするなども可能です。

自分のパートの音だけをしっかり聴きながら練習できるので、楽譜の理解がしやすく、部活がもっと楽しくなります。

「学校の練習が合奏ばかり」になりがちな本番前などに調子を崩し始めていることに気づくこともできます。

まずは体験レッスンへお越しください!

今回お話を伺ったのは…

ユーフォニアム科講師:根本香織

平成音楽大学卒業。第47回熊本新人演奏会、第37回茨城新人演奏会出演。現在、イベント演奏、ソロ、アンサンブル、吹奏楽など様々なジャンルで演奏活動を行う。レッスン拠点:パサージオ西新井店イオン新浦安店

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