小中学校や高校の音楽の授業・部活動などで、多くの子どもたちに使われてきた楽器たち。
実際に演奏したことはなくとも、学校行事などで友人・先生方が奏でるシーンを目にする機会は、きっと多くの方にあったことでしょう。
長年使われ続けた楽器はいずれその役目を終えるときが来ますが、中には”インテリアとして生まれ変わる”ものがあるんです。新たにどんな姿で活躍しているのか、見ていきましょう。
リビングに、懐かしさと温もりを
リビングからぶら下がった一灯のフロアライト。
シンプルで飾らない形に、愛着が湧く品です。
よく見ていただくと、シェード(ライトの傘の部分)がとても薄いことがわかります。
この形、見覚えありますよね?
そう、これはシンバルでできたフロアライトなんです。
これは実際に学校の音楽室で使われてきたシンバル。
長年にわたって多くの子どもたちに使われてきたため、一部キズや割れが生じているのだそうです。
演奏には使うのが難しくとも、シンバル本来の姿を生かしたまま、こうしてまだまだ活躍できるんですね!
長年子どもたちが授業や音楽会で奏でたり、部活動に打ち込んだ証ともいえる「へこみ」や「キズ」が照明器具にアンティークのような温かみを与え、私たちの生活空間をやさしく照らします。
製作者の方はこう話します。
「このシンバルはヒビや割れによって明るい音は出なくなりました。
でもフロアライトとして暖かい光を奏でて(発して)部屋全体を明るくするとともに、使う人のこれからを明るく照らしてほしいですね」
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壁掛け時計をよく見ると…?
こちらは壁掛け時計。
3、6、9、12時の位置に小さく置かれたローマ数字と、短めでシンプルな造りの長針・短針がかわいらしいですね。
今やスマホで簡単に、正確な時間を確認できる時代。
しかし「時間の確認」という用途以上に、私たちの生活の中に「和み」を与えてくれるのは素敵ですね。
横からみると、素材がよくわかりますね。
これは、タンバリン。
誰もが幼児期のお遊戯会だったり、学校の音楽会などで馴染みのある楽器でしょう。
丸い形、そして直径20センチと程よい大きさが壁掛け時計にピッタリですね。
こちらは小学校の音楽室で長年使われたのちしばらく使われることなく、「まるで時が止まっていた」(製作者の方)のだそう。
しかし時計として生まれ変わって、使う人の「これから」を刻んでいくことでしょう。
「昔のように元気な音は出なくても、チクタク鳴る優しい音で生活に安らぎを与えてほしいと思っています」(同氏)
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癒しの空間を演出するその楽器は…?
間接照明としてお部屋にぬくもりを照らしてくれるスタンドライト。
置くだけでお部屋がおしゃれになり、そしてくつろぎの空間になりますね。
このうずまき状の形が独特な楽器は、管楽器のホルン。
吹奏楽部などでよく見かけますね。
こうしてインテリアとしてみると、まるでカタツムリのようなうずまき、丸み。
そして大きなベルが愛くるしいですね。
ベル部分が見事にシェードの役割をはたし、光を拡散させてお部屋にアクセントのような明かりを照らしてくれます。
多少のキズはもちろん、経年によるサビが、多くの子どもたちに長年親しまれ続けたことを物語っています。
ちなみに土台は、学習机の天板をカットした木材を使っているのだとか。
改めて、「一度役目を終えたからといって処分してしまうのはもったいない」と考えさせられますね。
「音で思い出を作ってくれたホルンが、今度は光で使う人の思い出を作っていってほしい。
そして、子ども世代にはこのライトに手を触れてもらうことで、物を大切に使うことの大事さを伝えるきっかけになれば」と製作者の方は思いを込めています。
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まとめ
今回は学校備品の楽器たちが、インテリアとして生まれ変わった姿をご紹介しました。
「キズや汚れなど人の手で親しまれてきた証」や「二つとして同じモノがない、一点ものであること」などが、高品質と大量生産を両立しているモノづくりの現代に、むしろ有機的な温かみとなって人の心を打つのかもしれませんね。
これらは、本来の形状や特徴などを活かしつつ、新たな付加価値とともに別のモノに生まれ変わらせる「アップサイクル」という概念のもと作られました。
古くなったもの、不要だと思われるものを捨てずに新たな命を吹き込むこと。それは近年、地球環境保全のため世界中で叫ばれている「サステナブル」な取り組みであるともいえるでしょう。
(取材協力:tumugu)
注:商品はいずれも一点ものという特性上、品切れとなる場合がございます。