もうすぐバレンタイン! 大好きなお友達や日頃からお世話になっている人、そして気になっているあの人に…。どんなお菓子をプレゼントしようか迷っている方も多いはず。
渡したい相手が音楽好きなら、楽器モチーフのクッキーサンドを贈ってみるのはいかがですか?
一見手が込んでいてむずかしそうに思えるかもしれませんが、“大事なポイント”さえ押さえれば、初心者の方でもカンタンにかわいいクッキーを作ることができちゃうんです♪
そこで今回は、お菓子作りのプロにチョコクッキーサンドの作り方を教えてもらいました。ワンランク上の本格的なクッキーを作るポイントもご紹介していきます!
教えてくれるのはこの方
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kanaさん(Shiroiro sweets&cookies)
高校時代に調理師免許を取得し、製菓学校へ進学。一度は一般企業に勤めるが、夢をあきらめきれず“店舗のないお菓子屋さん”となる。現在はシェアアトリエつなぐば内「アトリエカフェつなぐば」(埼玉県草加市)を間借りして、季節のフルーツを使ったケーキやイベントごとのアイシングクッキーなどを販売中。
■Instagram:@shiroiro_33
調理開始前に押さえておきたいポイントとは?
まずは、クッキーサンドを作るにあたって事前に“押さえておきたいポイント”を教えていただきました。
- その1:温度に注意
- その2:生地は冷やし、こねすぎない
- その3:型を抜くときは一気に型を押さない
- その4:オーブンのクセを知る
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各ポイントの説明は、作り方にそってご説明していきます。
チョコクッキーサンド作りで使用するアイテムはこちら!
今回使用する主な道具や材料はこちら。
クッキー型は年々種類が増えていて、最近は100円ショップでも色々な種類の型が販売されています。
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定規のような見た目のアイテムは「ルーラー」と言って、生地を伸ばすときに使うもの。両端に置くことで、生地を均一な厚さにすることができます。
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素材選びも大切!チョコクッキーサンドの材料
チョコクッキーサンドで必要な材料は以下の通り。
☑薄力粉…200g ☑ココア…20g ☑グラニュー糖…60g
☑バター…100g ☑全卵…Mサイズ1/2個(25g)
クリーム
☑チョコレート…100g ☑生クリーム…100g ☑洋酒…小さじ1
☑ラズベリージャム ☑冷凍ラズベリー…40g ☑グラニュー糖…15グラム
☑ローストしたナッツ ☑フリーズドライストロベリー ☑チョコクランチなど
ガナッシュクリームのチョコレートは、一般的な板チョコではなくできるだけ製菓用スイートを使いましょう。製菓用のチョコを使用したほうが口当たりが良くなります。また、カカオの含有量にも注意してください。含有量が高いほど苦くなるため、ガナッシュ用に使うのはカカオ50%くらいまでの甘いミルクチョコがおすすめです。
ワンランク上の仕上がりを目指そう!チョコクッキーサンドの作り方
材料の準備が整ったら、さっそくチョコクッキーサンド作りスタート!
各手順で紹介されているポイントを押さえて、本格的な仕上がりを目指しましょう。
バターがポマード状(なめらかな状態)になるまで柔らかくなったら、グラニュー糖を入れます。砂糖がなくなり、白っぽくなるまですり混ぜてください。
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生地で使用するバターと卵は30分前に冷蔵庫から出して、室温に戻しましょう。そうすることでバターがすぐ柔らかくなり、作業も進めやすくなります。たとえばバターを電子レンジで温めてしまうと一部分だけ溶けてしまったり、食感が悪くなってしまったりすることがあるので気を付けましょう。バターと卵を室温に戻す場合、冬の時期は30分が目安ですが、季節や冷暖房の有無によって時間は変化します。また、混ぜるときにヘラについたバターをこまめに取ることも大切です。
卵が分離しないよう3回に分けて投入。その都度、油と水分をしっかりと混ぜた“乳化”状態にすることが大切です。一度に卵を入れてしまうと、乳化するまで余計に時間がかかってしまいます。
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ここで油分と水分がしっかり混ざっていないと、焼いたときに油が出てきてしまい食感も良くなくなってしまうので気を付けましょう。
さっくりと混ぜながら生地をまとめていきます。押してまとめるようなイメージです。
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はじめはボソボソしているんですが(笑)、混ぜていくうちにちゃんとまとまっていきます!
ボウルの底や側面など平らな部分で、生地を押しつぶすように伸ばしていきます。ここで生地をツルっとさせないと、型抜きの際に生地がざらついてしまうことも。ただし、こねすぎには注意しましょう。
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生地はこねすぎるのもNG。何度も同じところをこねるとグルテンが出てしまい、焼いたときに食感が悪くなってしまいます。
ラップを敷いて生地を置き、めん棒で伸ばします。生地の真ん中から隅へとめん棒をかけていきます。できるだけ四角形に伸ばしましょう。
生地がある程度伸びたところで、ルーラーを両端に置いてめん棒を転がし、厚さを均一にします。今回は3ミリのルーラーを使用していますが、厚めのクッキーがよければ5ミリでもOK。
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ルーラーで伸ばすときは、ルーラーと生地の隙間を埋めていくようにしていくと綺麗に伸ばせます。ラップで生地を挟むことで、手が汚れずそのまま冷蔵庫で休ませることができます。
型抜きでポイントとなるのが“温度”です。できるだけ手早く作業を進めましょう。
ここで生地をこねくりまわしたりと時間をかけてしまうと、生地がダレて型が抜きづらくなります。室内が暖かい場合は生地を少しずつ冷蔵庫から出して抜いてみてください。部屋を涼しくして作業するのもおすすめです。
まな板と生地の表面に薄力粉で打ち粉をし、端から抜いていきます。今回はクッキーサンドのため、模様付きのクッキーと、クリームを乗せる土台のクッキーをそれぞれ用意します。
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模様をスタンプするときは、型に入れたまま上から押します。一気に押すと型に生地がくっついてしまうため、2~3回に分けて少しずつ、強めに押すのがコツ。凹凸をくっきりさせることで、クッキーを焼いたときに模様がぼやけず綺麗に仕上がります。線が細かい模様の場合は、型に生地がくっつきやすいので注意しましょう。
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型にくっついてしまった生地は、次の型を抜く前につまようじでこまめに取りましょう。こういう作業を怠らないことで、見た目が綺麗なクッキーを作ることができます。なお、余った生地は重ねてまとめ、二番生地として使います(後述)。こねすぎるとバターが溶け出して、油が出てきてしまうので気を付けてください。
180度に予熱しておいたオーブンで11分焼く
クリームを挟むときにクッキーが対になるよう、左右非対称の形のクッキーは下側の生地を裏返して焼きましょう。
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オーブンによって焼き時間は変わります。ガスオーブンをご利用の方は2分ほど少ない時間で焼いて様子を見てください。
確認していただきたいのは“オーブンのクセ”。じつはオーブンには、機種ごとにさまざまな特徴があるんです。今回は電気オーブンで調理するレシピを紹介していますが、たとえばガスオーブンのご家庭の場合は、焼き時間を調整しないとクッキーが焦げてしまうかもしれないので気を付けてください。
また、電気オーブンでも上火と下火の有り無しで焼き加減が変わります。“こちら側からの熱が強い”とか、オーブンによって焼きムラが出ることもあって、途中で天板(角皿)の前後をひっくり返さないと片側だけ焦げてしまうことも。もしご自宅のオーブンでクッキーを焼いたことがない方は、ご自宅のオーブンの説明書も参考にしつつ、一回練習として焼いてみましょう。クッキーの厚みを変える場合は焼き時間が少し増えます。焼く枚数によっても調整が必要です。
クッキーを焼いている間にガナッシュクリームを作ります。まずは製菓用のチョコレートを細かく刻みましょう(今回はあらかじめ刻んであるものを使用)。
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小さめの鍋に生クリームを入れ、沸騰したら火から下ろし、チョコを入れます。このとき、ゴムベラで鍋の中心を混ぜるとうまく乳化が進みます。チョコがしっかり溶けたら全体を混ぜましょう。
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本来は刻んだチョコをボウルに入れて、そこに鍋の生クリームを入れていきます。今回はご家庭でも作業しやすいように簡単なパターンにしました。
⑨がある程度冷めたら、香りづけで洋酒を入れます(入れなくてもOK)。
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氷水に鍋をつけると⑩が底から冷えて固まってくるので、クリーム状になるまで混ぜます。
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クリームがゴムベラで持ち上げられるくらいまで冷えたら、絞り袋に入れて空気を抜きます。手の熱でクリームが温まってダレないように、手早く作業しましょう。
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クリームを絞るときに口金を使ってもかわいく絞れると思います。袋はクリームが上から出てこないように、クリップで留めています。
クッキーが焼けたら、ケーキクーラーに乗せて粗熱を取りましょう。クッキーが完全に冷めたらクリームを塗っていきます。
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クリームの量はお好みで。また、中央部を空けてジャムを入れたり、クリームの上にローストしたナッツなどを乗せたりするのもおすすめです。
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先端をクッキーに押し付けて、食い込ませるようにクリームを絞ります。ふわっと乗せるとクリームが落ちてしまうためご注意を。また、ジャムを入れるときはクリームを厚めにするとこぼれにくくなります。
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はみ出たクリームをヘラで整えると、より本格的な仕上がりに。整えるのが面倒な方やクッキーをカラフルに彩りたい方は、クランチをまわりにつけても可愛くなります。
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個別に配りたい方は、食品用OPPシートなどにクッキーを入れると◎。ラッピングも仕上がりに関わる重要な工程なので、ぜひこだわりたいところ。せっかくなら売り物のようにラッピングしてプレゼントしたいですよね。シールや紐をつけるほか、タグをつけると見栄えがグッと本格的になるそうです。ラッピング用アイテムはほとんど100円ショップで購入できます。
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チョコクッキーサンドは見た目が茶色なので、ラッピングに赤系の差し色などを取り入れると色が締まってかわいいと思います。
チョコクッキーサンドのレシピをショート動画でもご覧いただけます♪
チョコクッキーサンド作りに関するQ&A
Q.型抜きで余った生地はまた使っても大丈夫?
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そうですね。ただ、一番生地(一回目に型を抜く生地)がやっぱり一番仕上がりが綺麗で、それ以降はどうしても空気が入ってしまいます。たとえば一番生地で模様部分を、二番生地で下側部分を抜いてもいいかもしれません。
Q.二番生地以降を使うときのポイントを教えて!
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生地をまとめたら、型を抜く前に再び寝かせてください。これは、焼きあがったときに一番生地と二番生地でサイズが変わってしまうのを防ぐため。小麦って、伸び縮みするんですよ。冷蔵庫で休ませて落ち着かせることで、焼き縮みを防ぐことができます。また、生地をこねすぎると油が出るので、余った生地は押してまとめてください。
Q.出来上がったクッキーサンドを持ち運ぶときの注意点は?
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クッキーサンドはクリームが挟んであり要冷蔵なので、プレゼントするときは保冷剤があると安心です。これは必須ですね!
Q.クッキーサンドはどの程度日持ちするの?
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出来上がりが一番美味しいですが、大体3〜4日は日持ちします。日が経つとしっとりしてくるので、その状態のクッキーもまた美味しいと思います♪
甘すぎず上品な味わいのチョコクッキーサンドは、そのまま食べてもとっても美味しく、コーヒーや紅茶にもよく合います。
各工程に気を付けるポイントがあるものの、作り方はシンプルなので、どなたでも実践しやすいです。
この機会にぜひチャレンジしてみてください!
今回使用した楽器モチーフのクッキー型はこちら
Cookie&Chopin