「摩擦で唇がヒリヒリする…」「練習のしすぎで皮がむける…」 など、管楽器の演奏による唇の荒れや腫れなどのトラブルに悩んだことはありませんか?
そんな、管楽器奏者が頭を抱える“唇荒れ”のケア方法を医師に聞いてみました!
また、楽器を演奏しながらでも楽しめるおすすめのリップメイクも紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね♩
教えてくれるのはこの方
野尻 真里 先生(予防歯科医)
日本歯科審美学会所属の歯科医師。予防歯科医として「うずら歯科」に勤務しながら、雑誌を中心としたさまざまなメディアでライターとしても活躍。
デリケートな唇に刺激が加わることが唇荒れの原因!
管楽器奏者が抱える唇のお悩みについて調査したところ、多かった回答がこちら
- お悩み①:唇がヒリヒリする、痛い
- お悩み②:唇の皮が頻繁にむける
- お悩み③:唇が乾燥して演奏に支障が出る
――なぜ管楽器を練習していると唇が荒れやすくなってしまうのでしょうか?その理由を医師に聞いてみました。
そもそも唇はとてもデリケートな部分。ほかの皮膚に比べ、外部の刺激から守る角質層がうすく、バリア機能の役割を果たす皮脂も分泌されないため、ちょっとした刺激でもダメージを受けやすいんです。
――唇にマウスピースが当たっている状態が続いたり、演奏時の摩擦で炎症が起こりやすくなっているんですね。
演奏時に唇が唾液で濡れてしまうことも原因のひとつかもしれません。唇に付着している唾液が蒸発するときに、必要な水分まで蒸発してしまうんです。
――乾燥した唇で演奏をすると、さらに刺激が加わって炎症が起こることも!具体的にはこのような症状が挙げられます。
- 口唇炎:唇全体が炎症を起こし、出血やひび割れ、ただれが生じる
- 口角炎:口角に出血やひび割れが生じたり、口の端が痛む
唇は基本的にターンオーバーが早いため、少しの傷は治りやすいものの、上記のような炎症が起こると治るのに時間がかかってしまうので注意が必要です。
お悩み解決①:唇の炎症には医薬品リップクリームを使おう
唇がヒリヒリしたり、痛かったり、赤みが出るというお悩みは、アラントインやグリチルレチン酸などの抗炎症成分が入った医薬品リップクリームを使い炎症を抑えましょう。保湿成分も入っていると、刺激から唇を守ってくれるのでおすすめ!
炎症があまりにもひどく、口唇炎や口角炎が進行している場合は、皮膚科や歯科で診てもらいましょう。
編集部おすすめアイテム
お悩み解決②:鎮静&蓋をしてダメージケア!
唇の皮が頻繁にむけるのも、唇の炎症を表すサイン。そんなお悩みには、医薬品リップクリームでケアをした後に、ワセリンが含まれたリップクリームで蓋をしましょう。
ワセリンで皮膚をコーティングすることで、水分の蒸発を防いだり、外の刺激から皮膚を守ってくれます。
ワセリンのほかに、ホホバオイルやミツロウ※1、シア脂※2なども◎。
また、皮むけが気になっても無理にはがさないように。どうしても気になる場合は、むけている部分だけを眉用ハサミなどで注意して切りましょう。
※1ミツバチの巣から採取される「ロウ(ワックス)」※2シアの木(アカテツ科シアバターノキ)の種子から抽出される植物性の油分
編集部おすすめアイテム
お悩み解決③:保湿成分で乾燥対策を
唇が乾燥して演奏に支障が出るお悩みには、保湿成分がたっぷり入ったリップクリームで唇にうるおいをON!
1gで約2リットル水分を保持できるといわれるヒアルロン酸など、保湿成分の入ったリップクリームは、皮膚に水分を与えてくれます。乾燥が気になるときには、保湿成分を取り入れてケアをしましょう。
編集部おすすめアイテム
唇荒れを防ぐシーン別リップケアをご紹介♪
週に1回のペースでリップスクラブを使うことで、余分な皮むけをケアでき、スベスベできれいな唇に。いつもよりスムーズに演奏ができるかも!
スクラブだけだと唇が乾燥してかえって荒れてしまうこともあるので、スクラブを使った後は、リップクリームで保湿ケアを忘れずに!
それぞれのアイテムで推奨されている使用頻度や使用方法を守ることも大事。使用頻度が高すぎたり、きちんと洗い流さないと唇が傷ついてしまうことがあるので、気をつけて。
編集部おすすめアイテム
演奏直前、乾燥は気になるけれど、マウスピースやリードがベタつくのは避けたい…。そんなときは、硬めのテクスチャーのリップクリームを使うのがおすすめ!さらっとしたつけ心地で、保湿も演奏のしやすさもかなえます。
リップクリームを使った後にティッシュオフするのもいいですよ。余分な油が拭き取れて、より唇にテクスチャーがなじみます。また、リップを塗る時は縦向きに塗ると◎。しわの部分にも保湿成分が密着するのでおすすめです♪
編集部おすすめアイテム
練習や演奏会の後など、唇に負担がかかったときは、リップパックで保湿成分や美容成分をしっかり補給。油分や保湿成分が入っているアイテムは、うるおいを補給し、唇に蓋をしてくれるのでおすすめです♪
唇に力がかかって血行が悪くなっている可能性があるので、唇のまわりを軽く押してマッサージしてみましょう。
編集部おすすめアイテム
演奏しながらメイクもしたい!リップメイクアイデア
大事な演奏会、メイクをしてきれいな状態でのぞみたいけど、マウスピースやリードに色がついてしまったり、吹いているときに色が落ちてしまったり、なかなかリップメイクを楽しめないというお悩みも・・・。
そこで、リップメイクでモチベーションを上げながら、演奏にも集中できるアイデアをご紹介します♪
唇にしっかり密着し、色落ちしにくいティントタイプなら、演奏中も演奏後も唇にきれいな血色感が残ります。さらに、マスク生活が続く近年では色移りしにくいティントも豊富なので、リードやマウスピースに移る心配も解消できちゃいます。
編集部おすすめアイテム
より色を密着&移りにくくさせるためには、塗った後に“ティッシュオフ”で余分な油を拭き取り、唇に色を密着させるのもポイント。
①塗った後、少し時間をおいて唇に定着させる
②上からティッシュでやさしく押さえる
ティントリップを使えばティッシュオフをしても色が唇に残るので、きれいなリップをキープできます!
リップケアをして健康な状態の唇をキープできれば、きれいな音も出せて気持ちよく演奏ができるはず。また、落ちにくいリップメイクで口元に血色感をプラスすれば、演奏会でのモチベーションもUP!
しっかりケアをしてお悩みを解決しながら、演奏をもっと楽しんでくださいね♪
〈お問い合わせ〉
石澤研究所/花王(キュレル)(tel:0120-165-691)/KISSME(伊勢半)/健栄製薬/佐藤製薬(tel:03-5412-7393)/資生堂インターナショナル(tel:0120-81-4710)/島村楽器/第一三共ヘルスケア/ビーバイイー(tel:0120-666-877)/FAVES BEAUTY/ユースキン製薬/LUSH/LANEIGE/ロート製薬
文・取材・構成/vivace
「本番に向けて、整える」特集について
たくさん練習をしてついに迎えるライブや発表会!本番に向けて、演奏スキル以外の準備もしてみては?大事な場面で緊張しない方法、演奏に効果がある筋トレ、ちょっとした身だしなみなど、あなたの演奏をさらに良くするヒントがきっと見つかるはず。