マスクを着けたまま楽器の演奏ができる『シリカクリン 管楽器用マスク』。この管楽器マスクを普段からフル活用して練習を重ね、今年の6月に「創立40周年記念演奏会」を見事に成功させた愛知県春日井市民吹奏楽団の皆さん。
壮大なクラシックステージに始まり、プロのサックス奏者である瀧 彬友さんによる素晴らしいゲストステージ、そして誰もが楽しめるポップス曲のステージまで幅広いラインナップで観客を魅了させてくれました。
そんな春日井市民吹奏楽団の皆さんの心地よく素敵な音楽もさることながら、よく見るとマスクを装着したまま演奏する楽団員のその姿には驚いた方もいるのではないでしょうか。
今回は管楽器マスクが発売されてすぐに楽団員全員で使用し始めたという春日井市民楽団の団員から3名の方に、マスクを実際に着けてもらいながら色々と質問をしてみました。
お話をお伺いしたのはこの3人
―春日井市民吹奏楽団の皆さんが管楽器マスクを使うようになった理由はなんでしょうか。
石黒さん:当時コロナが流行り始めたころ、まだ感染状況などコロナの実態がよく分からない状態だったので、どうやって練習をしていこうかをすごく考えていまして、そんなときにたまたまテレビでこの管楽器マスクの存在を知ったんです。これだ!と思いすぐにネットで楽団員全員分注文しました。そして購入した管楽器マスクを全員に配り、「これを着用して練習しましょう」と呼びかけましたね。
―それはすごい行動力ですね!ちなみにコロナ渦に突入したばかりのころは、吹奏楽をやるにしても人と人の間をパーテーションで区切ったり、フェイスシールドを装着するのが主流だったと思いますが、それらは選択されなかったのですか?
石黒さん:飛沫防止対策の方法も色々あるとは思うんですが、やはりアンブシュア(※1)が崩れたときとかに飛沫が飛ぶ方が怖いと思っていたので、そのことを真っ先に考えて、パーテーションやフェイスシールドよりも管楽器マスクの方が良いんじゃないかなと思いました。
※1…管楽器の演奏者が、楽器を吹くときの口の形
―管楽器マスクを見た楽団員の皆さんの第一印象はいかがでしたか?
川幡さん:初めて見たときはパーテーションでもフェイスシールドでもなくマスクなんだなと驚きました(笑)
ですが、個々で持つにあたっては持ち運びも管理もしやすいですし、便利だなと感じました。洗って繰り返し使えるのも良いなと思います。
―マスクを着けたまま演奏する感覚についてはどう感じられますか?
髙野さん:最初は油断をするとリードが引っかかってしまいそうになっていたんですが、練習をしていくうちに大分慣れてきましたね。でもマスクをして演奏しているからといって特に苦しいとかもないですし、マスクを着けることで飛沫をそこまで気にせず練習できるのであればいくらでも着けます!(笑)
―とても素敵な心意気ですね!(笑)管楽器マスクを着けて練習してみて良かったことはなんですか?
石黒さん:ひとつは気兼ねなく練習をできるようになったことですね。最初は指揮者の前にパーテーションを設置して楽団員は管楽器マスクをして演奏していました。でもパーテーションがあることで音の伝わり方が全く変わってしまったり、隣の人のブレスも聞こえづらく、音をそろえることが難しかったんです。こんなに違うのかとびっくりするくらい。なので管楽器マスクにすることで普段に近い感覚で練習ができるのは良かったのかなと思います。
―他に演奏などしてみて気付いた影響はありますか?
石黒さん:管楽器マスクを着けていることによって、マスクの中にマウスピースを入れて吹くという工程が増えるため、意識的に自分のパートが来るときは早めに楽器を構えるようになりました。そうすることで結果的に、前もって準備をするようになったのでアンブシュアが綺麗になったなと思います。
―コロナ渦で活動が制限された中での練習は大変でしたね。
石黒さん:春日井市のコロナ対策がかなり厳しくて、長い間練習ができず活動停止しているときに管楽器マスクの存在を知ったんです。そしてこのマスクを着けて感染対策をしているということをしっかり市に伝えることで練習を再開することができました。基本的に練習するときは管楽器マスクを着用することを徹底しているので、マスクを忘れたら練習には参加できないという決まりを作ったくらい徹底してやっています。
―ではこのコロナ渦で大変な中でもなお、音楽を続けたいと思った理由はなんでしょう。
石黒さん:コロナが流行り始めた頃は、管楽器を演奏することに関してあまりよく言われていなかった時期だったので、春日井市民吹奏楽団としても陽性者が出たら解散しないといけないかもねという話までしていたんです。なのでとにかく感染者を出さないように気を付けていました。そこまで気を付けてでも音楽を続けていきたいと思ったのは、春日井市民吹奏楽団は春日丘高等学校のOBバンドなんですが、その歴代の先輩たちや、演奏が好きで来ている楽団員のためにもこの楽団を潰すわけにはいかないという想い。その手段として管楽器マスクを選んだんです。
―そんな熱い想いと共にこのマスクを使用されていたんですね、素敵なお話ありがとうございます。では最後に伝えたいメッセージがあればお願いします。
髙野さん:今はコロナ渦で大変なこともありますが、私はやっぱり音楽が好きで、きっと好きなことを好きなようにできることが日常に繋がっていくのかなと思っています。そして自分が好きな吹奏楽をできるようにサポートしてくれたこの管楽器マスクがありがたいなと思いますし、この商品が生まれてくれたことに感謝しています。こうして感染対策をしながらこれからもみんなで活動をし、心を込めて演奏をして、観客の皆さんの心を少しでも動かすことができたらいいなと思います。