どれだけ知っている?簡単な問題から超マニアックな難問まで!吹奏楽検定の結果を見てみた。

部活やサークルでもお馴染みの吹奏楽。皆さんも、ご自身が経験者だったり、またお知り合いの人が所属していたり、あるいは、周りに経験者がいなくても、発表会や大会での華やかな演奏シーンを目にしたり、小説やアニメの題材として触れられていたりと、何かと馴染みのある存在だと思います。


ピアノやギターと並び、吹奏楽の経験がある方というのは比較的多いのではないかと思いますが、吹奏楽や音楽に関して学んだ知識がどの程度身に付いたのかは、気になるところではないでしょうか?

そこで、今回は、総合楽器店『島村楽器』が実施した吹奏楽検定の結果から、その実態を見ていくことにしました。簡単な問題から超マニアックな難問まで網羅した今回の吹奏楽検定。その結果をどうぞご覧ください!

1.検定の概要

今回、島村楽器が実施したオリジナルの吹奏楽検定の内容は、こちらになります。

島村楽器「吹奏楽部フェア 2020」オリジナル検定
※検定はすでに終了しています。

対象者と実施期間は以下の通りです。

対象     :吹奏楽経験者
中学生~社会人:1924名
実施時期   :2020年4月~10月
実施手法   :インターネットでの回答

検定問題は、「吹奏楽に関する楽器の区分」「楽器の名称」「演奏用語」「略語」「楽器の扱い方」「演奏記号」「楽器の素材」等々からなり、音楽の授業を真面目に受けて、吹奏楽部でも真剣に活動されていた方であれば、おそらく高得点が狙えるであろう内容となっています。

ただし、この検定では、一部マニアックで難しい問題もあったことから、全問正解者は1924名中55名(2.8%)のみとなりました。
とはいえ、回答者の皆さんは、問題によっては難しいと感じる一方、検定を通して吹奏楽の奥深さを改めて感じることができ、「楽しかった!」という感想が多く寄せられました。

今回は、これらの問題の中から、特に興味深い回答が多かった4つの設問をピックアップしてその結果を見てみます。

2.金管楽器ではないものは?

質問:「ホルン」「ユーフォニアム」「サックス」の中で、金管楽器ではないものは?

管楽器には金管楽器と木管楽器がありますが、あなたは、金管楽器と木管楽器の違いは分かるでしょうか?実は、その違いは楽器の素材ではなく、音の出し方で分類しています。


・「金管楽器」は唇を振動させて音を出す管楽器
・「木管楽器」は「金管楽器」以外の唇を振動させないで音を出す管楽器

となります。

今回の吹奏楽検定では、「ホルン」「ユーフォニアム」「サックス」の中でどれが、金管楽器ではないもの(=木管楽器)かの質問を行いました。ここでの正解は「サックス」になります。
「サックス」は、唇の振動ではなく、リードという薄片を振動させて音を鳴らします。

検定の結果では、98%が「サックス」となり、ほぼ全員が正解となりました!
吹奏楽経験者の中では、金管楽器と木管楽器の違いは当然の知識としてあるようです。

「サックス」は金属でできているので、楽器に詳しくない人は、金管楽器というイメージがあるかもしれませんんが、唇の振動ではなく、リードを使うので木管楽器となります。木管楽器=「木製で作られた楽器」ではありません。吹奏楽経験者は、この点をよく踏まえていると言えるでしょう。

3. 「走る」と「落ちる」ってどういう意味?

質問:合奏などで使われる、「走る」、「落ちる」の意味で正しいのはどれ?

「走る」と「落ちる」。日常生活でも使われている一般的な言葉ですが、吹奏楽の現場では違った意味を持っています。あなたはこの言葉の意味を知っているでしょうか?

正解は
「走る」 :早いテンポで演奏してしまうこと
「落ちる」:合奏中に自分が吹くべきところを見失ったり吹けなかったりすること
となります。

今回の検定の結果では98%の人が正解となりました。これも吹奏楽経験者にとっては当然の知識のようです。

「走る」(早いテンポで演奏してしまうこと)は吹奏楽に関わらず、音楽用語としてよく使われますが、吹奏楽では特に演奏者全体のリズムが重要なので、非常に大きな意味を持っています。ちなみに、多くの中学・高校での吹奏楽部は、筋力トレーニングの一環として実際に体を動かす方の「走る」=走りこむもよく行われています・・・。

「落ちる」(自分が吹くべきところを見失ったり吹けなかったりすること)」は、致命的なミスにもなりかねないので、吹奏楽の経験のある人は、自分の出番で「落ち」そうになって、冷や汗をかいたことがある人もいるのではないでしょうか?


以上のように全体のアンサンブルに気を遣う吹奏楽にとって「走る」と「落ちる」は、非常に重要な用語といえるでしょう。

4.イタリア音名なのはどれ?

質問:「CDEFGABC」「CDEFGAHC」「ドレミファソラシド」「ハニホヘトイロハ」の中で、イタリア音名はどれ?

音名には、国別に様々な表記があり、「CDEFGABC」「CDEFGAHC」「ドレミファソラシド」「ハニホヘトイロハ」等がメジャーです。
今回の検定では、「CDEFGABC」「CDEFGAHC」「ドレミファソラシド」「ハニホヘトイロハ」の中でイタリア音名はどれかを質問しました。
正解は「ドレミファソラシド」となります。
今回の検定の結果では正解者は49%で半数にとどまっています。

吹奏楽経験者でも「ドレミファソラシド」がイタリア語というのは、意外と知らないようです。「ドレミファソラシド」は、日本語表記でかなり馴染んでいるので、日本語だと思った人が多かったかもしれませんね。実は、これは「Do Re Mi Fa Sol La Si Do」となっているものを日本語で表記したものになります。「ドレミファソラシド」は一番、よく用いられている音名だと考えられますが、イタリア語というのは興味深い点ではないでしょうか?ちなみに、「CDEFGABC」(シー ディー イー エフ ジー エー ビー)は英語、「CDEFGAHC」(ツェー デー エー エフ ゲー アー ハー)はドイツ語、「ハニホヘトイロハ」は日本語となっています。

5. これってどんな音?実際にある仰天演奏指示!

質問:「猫の鳴き声」「防犯ブザー」「大砲」「スターターピストル」の中で、実際に楽譜上で演奏指示があるものはどれ?

「猫の鳴き声」「防犯ブザー」「大砲」「スターターピストル」。この中で、とある有名な曲で実際に演奏に使用するよう指示しているものがあります。どれになるのでしょうか?
その答えは・・・「大砲」になります!ロシアの作曲家、チャイコフスキーが作曲した「序曲『1812年』」で実際に大砲を使うよう指示されており、日本を含めた各国で実際に大砲を使って演奏されています。

今回の結果では、正解率は53%となり、約半数にとどまりました。

戦争をモチーフにした楽曲のクライマックスに「大砲」を使ったチャイコフスキーですが、他に多くのメジャーな曲を生み出しているためか、知名度はやや低いのかもしれません。また、チャイコフスキー自身もこの曲をあまり高く評価していないようです。いずれにしろ、チャイコフスキーのような叙情的で美しい旋律の曲を多く作っている作曲家がこのような変わった(?)曲を作っていたことは、興味深い事実と言えるでしょう。

以上、吹奏楽検定の内容と結果、いかがでしたでしょうか?
今回、検定に参加された人からは、吹奏楽について「長く吹奏楽をやっているのに意外と知らないことがあった」という意見が多数あり、吹奏楽の奥深さを改めて実感した内容だったようです。また、吹奏楽をあまり知らない人でも、管楽器の種類や演奏用語・演奏指示については興味深い内容だったのではないでしょうか?

「Happy Jam」では、引き続き、音楽に関する興味深いトピックスを紹介していきます。お楽しみに!

この記事を書いた人

Happy Jam編集部 オオフカ

DTMが趣味のデータ・アナリスト。アコギを練習して、自作曲を弾き語りで披露することが目標。映画が大の好物で、年間100本以上を視聴。ジャンルを問わず全般的にチェックしているが、特に好きなのは音楽映画。いつか、自分が出演してスクリーンに出てみたい!