Happy Jamサイト開設1周年を記念し、管楽器についてのプロフェッショナル5人による特別対談が実現!
人気コンテンツ「楽器診断 吹奏楽編」はなぜ当たるのか、コロナ禍での演奏活動事情、そして管楽器の未来はどうなるのか? など、存分に語り合っていただきました。
今回行った管楽器リモート座談会のフルバージョンは動画にてお楽しみいただけます。
記事には載せきれなかった内容まで全てご覧いただけますのでぜひご視聴ください♪
本記事では座談会動画のダイジェスト版としてお届けいたします!
参加メンバー紹介
■司会進行
【浅田】島村楽器 Wind&Repair勤務。学生時代からクラリネットを演奏。
■パネリスト
【八田 誠】アルソ出版「THE SAX(ザ・サックス)」、「THE TRUMPET(ザ・トランペット)」編集長。
【和泉 まどか】アルソ出版「THE FLUTE(ザ・フルート)」編集部。音大時代はフルートを専攻。
【関井 うらら】〜音楽の魔法で豊かなひとときを〜をテーマに、音楽コーディネーターとして、そしてフルート奏者として演奏指導と吹奏楽の指導を中心に活動。
【兼重】島村楽器ラゾーナ川崎店副店長。サックス吹き。指揮法を学び中高吹奏楽部も指導。
演奏家リサーチにもとづいている「楽器診断」
さて、最初のテーマはHappy Jamで特に人気の高い「あなたに向いている楽器診断 吹奏楽編」です。質問に答えていくと”あなたに向いている楽器はこれです”と診断が出るもので、なかなかよく当たると好評なんです。この記事は関井さんが監修してくださっていますね。
まず知り合いの音楽家たちに質問して、楽器の特徴や、演奏する人の性格をたくさん聞き出し、それを元に記事を作りました。知人や生徒たちが「診断してみたら、今やっているのと同じ楽器だった」とか「全然違った」と言ってくれて、Twitterでもとても大きな反響をもらい、すごく嬉しかったです。
八田さんの診断結果はいかがでしたか。
めでたくサックスになりました。というのは、実は、学生時代からずっとギターをやってきたので…。10年ほど前に「THE SAX」の編集をやることが決まり、一時サックスのレッスンを受けたんです。だから、管楽器で吹けるのはサックスだけ。それが当たるのだから素晴らしい。
僕はサックスではなくパーカッションという結果でした。何度やり直しても、やはりそうなるんです。これはもう、パーカッション始めるしかないのかと(笑)。
サックスと打楽器共通の性格として、目立つことが好きとか、個性的という部分があるんです。方向性は同じですが、質問の分かれ目でパーカッションの方を選んでいるのかもしれないですね。
和泉さんはいかがでしたか?
ファゴットになりました。私は音大までフルートをやってきたので不思議でした。でも、編集者の仕事は表に出るよりはサポート役なので、そこがファゴットと共通しているのかなと。
もしかしたら、現在楽器を吹いている人はその楽器が、吹いていない方はお仕事の役割が反映されるのかも知れません。ぜひまたHappy Jamサイトで楽器診断にトライしてみてください!
コロナ禍による吹奏楽、管楽器への影響
コロナ禍によって学校の吹奏楽部の活動にも大きな変化が起きていると思いますが、いかがでしょうか。
昨年は吹奏楽コンクールが中止になり、演奏会もできなくなったので、3年生の発表の場をどうするかが大きな課題でした。たくさんの学校で、定期演奏会が延期されて3月開催になりました。ふだんの活動では全体練習が減って個人練習が増えましたね。そして僕はオンラインで指導することも多くなりました。
今年はコンクールが再開しましたが、感染対策をしながらの練習は大変です。学校によっては、音楽室が狭くて半分の人数ずつしか練習できないことも。学校外の練習場を借りて合奏したり、オンラインで合奏したりと苦労しています。それでも、コンクールで演奏できるのは幸せです。生徒たちから、楽器を演奏できるのは当たり前じゃない、だからこそこの時間を大切にしようという意思がすごく伝わってくる。コロナ禍だからこそ気づけたこと、学んだこともあると思います。
プロの演奏家の方々も、コロナで影響を受けているのではないですか?
みんな、感染が広がらないよう苦心しています。先日、サックスの本田 雅人さんの「B.B.Station」のライブで、当日にメンバーの1人が濃厚接触者になって出演できなくなった。急遽、同じ楽器の演奏家に電話し、その人と入れ替えて、当日リハーサルだけでライブをやったそうです。
昨年、フルート演奏家の方々からいただいたメッセージが心に残っています。コンクールや部活動がなくなり、落ち込んでいる中高生に向けて「今年の大会はなくなってしまったけれど、吹奏楽をがんばっていた経験は、人生の中で絶対に活きていく」と。そういったメッセージを受け取れたことは、大きな励ましになったと思います。
YouTubeデビューする演奏家の方も多かったですね。コロナが落ち着いても、ぜひ凄腕テクニックを披露し続けていただければと、一リスナーとして期待しています。
管楽器を通して音楽をもっともっと楽しもう
最後に、これからの管楽器について皆さんにメッセージをお願いできますか。
吹奏楽部に入部する人数が減ってきているので、それがまた戻って、演奏会もたくさんできるようになるといい。楽器店としては、それを陰ながら応援できるようにがんばっていきたいです。
管楽器は飛沫が心配というイメージがありますが、実証実験ではそんなこともないというデータが出ている。だから恐れずにコンサートに足を運んでもらいたいですね。
そして、最近はデジタル管楽器が増えています。そういった楽器で自宅練習も可能なので、それぞれのやり方でぜひ管楽器を続けていってください。
今は集まって何かをするのが難しい時期です。でも音楽好きな人にとって、演奏を楽しむこと、聴くことを楽しむことはずっと変わらない。最近はいろいろな音楽を動画で楽しめる時代になっています。そういうものを最大限活用して、さまざまな音楽を楽しんでほしいですね。
これまで足を運べなかった、関西のコンクールや九州の学校の定期演奏会を、ネット配信で見ることができるようになりました。そういう意味では、演奏を聴いていただける貴重な機会が増えた。でも、やはり生徒たちがたくさんのお客さんの前で演奏して拍手をもらう、そういう本番を体験してほしい。来年にはそれができる世の中になっていると思うので、今この時期をなんとか乗り越えてください。私自身も生徒たちの希望や夢につながるような仕事をできるようがんばります。
パネリストの皆さん、本日はありがとうございました!
終わりに
管楽器座談会、お楽しみいただけましたか?
身の回りのふとした出来事と音楽との結びつきを探求するWebメディア『Happy Jam』は、読者の皆さんのおかげで2020年9月にサイトを開設してから1周年を迎えることができました。これからもHappyJam編集部一同、引き続き皆さんのお役に立ち、そしてハッピーな気分になっていただけるような記事をこれからも発信していきたいと思います。
今後もご愛読よろしくお願いいたします!