「クロネコヤマトの宅急便〜♪」(つい、歌いたくなります笑)でおなじみのヤマトグループが、大切な荷物だけではなく“音楽”まで、お届けしてくれていることをご存知でしたか?その名も音楽宅急便『クロネコファミリーコンサート』です。全国各地でプロのオーケストラによる本格的なクラシックコンサートを開催し、地域にお住いの小さなお子さまから大人までを無料で招待しています。
昨年はコロナの影響で初のオンライン開催となり、まさに「音楽をおうちまでお届け」しました。今年は8月11日(水)の17時からヤマトグループ公式YouTubeチャンネルでライブ配信されます。
この「音楽宅急便」がどのような思いで生まれたのか、そして、今年はどんなコンサートが企画されているのか?ヤマト運輸株式会社の新居邦子さん、刀根明日香さんにお話を伺いました。
同じ舞台で、オンラインで。子どもたちとオーケストラの共演も
―音楽宅急便はどのような思いで始まったのですか?
新居:弊社の元社長で宅急便の生みの親である、故・小倉昌男の「本物の、いい音楽を年齢や地域を越えてすべての人にお届けしたい」という思いから、1986年に始まりました。今年で36年目、これまで全国各地で343回公演を行っています。また、公演会場では交通遺児のための募金活動も行ってきました。
―コロナの影響で、昨年はお客様を入れてのコンサートができなかったそうですが。
新居:昨年は、コロナの影響でコンサートの中止・延期が余儀なくされ、各地の交響楽団は大きな影響を受けていました。そのような状況下で、これまでクロネコファミリーコンサートにご協力いただいた交響楽団の演奏を一人でも多くの方にお届けしたいという想いから、オンラインで開催しました。こうしたことで、「自宅で家族と一緒に音楽を聴くことができました」、「普段、聞いたことのない地方のオーケストラの音を楽しむことができました」など、大変嬉しいお言葉をいただきました。
そうした皆さまのお言葉に支えられ、今年も昨年と同様、オンラインでの開催としました。
―今年はどんなコンサートになるのですか?
新居:今年は、8月11日(水)に東京フィルハーモニー交響楽団をはじめとする4楽団の演奏をYouTubeチャンネルでお届けします。テーマは子どもたちの成長、「KID’s GROWING STORY」です。目玉は本格的に管楽器や弦楽器を学んでいる子どもたちによるキッズオーケストラです。小学生と中学生10名で構成され、本番当日に東京フィルハーモニー交響楽団と一緒に、同じ舞台で共演します。7月からは、その子どもたちに対して同楽団員によるオンラインレッスンも行われています。
またキッズオーケストラに加えて80組の子どもたちがプロのオーケストラとオンラインで一緒に演奏する「オンライン共奏」も実施します。
―プロのオーケストラの方に指導をしていただけるのですか?
刀根:そうなんです。私はクラリネット担当の中学生のレッスンを見学しました。最初は緊張していた様子でしたが、プロのオーケストラの方から「ここはこう吹いた方がいいよ」とアドバイスをもらうと、その言葉をしっかり受け止めて、演奏していたのが印象的でした。これらのレッスンの模様はYouTubeチャンネルで4回にわたって配信します。ぜひ、この密着映像を通して、子どもたちの成長する姿を感じて、本番の演奏を楽しんでいただきたいです。
―どんどん上手になっていくのを、観ることができるのですね。共演する曲名はなんですか?
新居:スメタナ作曲の「交響詩 我が祖国」から『モルダウ』と、ピアニストの清塚信也さん作曲の『Brightness』です。なお清塚信也さんはスペシャルゲストとして8月11日のライブ配信で子どもたちと共演していただきます。
地方の楽団から、地域にゆかりのある曲をお届け!
―他に見どころは?
新居:8月11日のライブ配信以外にも4交響楽団による演奏をアーカイブ配信する予定です。山形交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、広島交響楽団のプログラムには、その地域にゆかりのある曲を盛り込んでいます。
―それは楽しそうですね。どんな曲を演奏するのですか?
刀根:山形交響楽団は、東日本大震災の復興支援ソング「花が咲く」。名古屋フィルハーモニー交響楽団は、同ポップスオーケストラのミュージックディレクターだった、ボブ佐久間さんの「煌めきの未来へ」。広島交響楽団は、広島出身の童謡詩人・作詞家が作詞した楽曲をメドレーで「かもめの水兵さん」「こいのぼり」「村祭」を演奏します。
―今年は東日本大震災から10年。山形での「花が咲く」は感慨深いものがありますね。「煌めきの未来へ」は「交響詩・名古屋城」から誕生した曲ですし、広島で「こいのぼり」なんて、すごく盛り上がりそうです!
刀根:他にも、4つのオーケストラがそれぞれベートーヴェンの名曲を演奏します。数々の困難に打ち勝ち自らの音楽性を高めていったベートーヴェンの生涯は、成長というテーマにぴったりだと考えて、選曲させていただきました。
―最後に、この「音楽宅急便」の活動を通して、どんなことを伝えたいですか?
新居:全国でサービスを展開している弊社は、長年にわたり地域の皆さまに育てていただいた会社です。音楽宅急便の活動を通して、少しでも恩返しができたらと考えています。今まで積み上げてきた地域の皆さまとのつながりを大切に、今後も音楽宅急便などを通じて「地域共創」「企業市民活動」に取り組んでいきたいと思います。
刀根:弊社の経営理念に「豊かな社会の実現に貢献します」という言葉があるのですが、音楽をお届けすることで、皆さまの心が少しでも豊かになれば幸いです。
―ありがとうございました。
まとめ
コロナ禍でコンサートの中止が相次いでいます。そんな中、オンラインのメリットを最大限に活かし、「いつでも」「どこでも」「誰とでも」楽しめる、素敵な「音楽の贈り物」をお届けしてくれるヤマトさん。クロネコファミリーコンサートでの子どもたちの成長していく姿に、夢と勇気をもらえそうです。8月11日(水)のYouTubeライブをお楽しみに!