こんにちは。島村楽器菖蒲店シンセサイザーコーナー担当の代田（しろた）です。

新生活と共に、新たな楽器や楽器そのものに初挑戦などの季節となりました。新たな楽器に挑戦したいと思っていらっしゃるそんな皆様に、シンセサイザーコーナー担当の代田（しろた）がオススメするシンセサイザーをご紹介いたします。

今回ご紹介させていただくのが、Roland FAシリーズです。

Roland FA-06

※写真はFA-06になります。

メーカー	品番	定価	販売価格	備考
Roland	FA-06	オープンプライス	￥127,440(税込	61鍵盤、5.7kg。
Roland	FA-08	オープンプライス	￥178,200（税込）	88鍵盤、16.5kg。

INTEGRA-7直系のサウンドエンジン

皆様が1番気にされている部分ではないでしょうか？弾いてみてですが、やはり音は良いですね。私JUPITER-80を所有していますが、ピアノやエレピの音の良さは全く変わりません。INTEGRA-7直系なだけあり、どの音色でも即戦力な音色ばかりですので、「好みの音を選んで弾く」というシンプルな使い方ができるので、これからシンセを始める方にもオススメです。

個人的にはこの価格で名機のJUPITER-8やJUNO、SH-101などのシンセ音色が手に入るのも嬉しいポイントですね。昔は高くて手に入らなかった（JUPITER-8は発売当時90万円くらいした高価なシンセなんです。）名機の音が手に入ってしまうので、大人の方にはぜひFA-06、08を手に入れていただき、夢を叶えていただきたいと思っています。

ひとつご注意いただきたいのは、FA-06を手に入れればINTEGRA-7搭載の音色全てが手に入るわけではございません。SuperNaturalアコースティックトーン（アコースティックギター、ストリングス、アコースティックドラムなど）はINTEGRA-7内部からの抜粋を収録、PCMトーンはSRXシリーズを除き全て搭載という仕様になっています。ピアノ、エレピ、オルガン、クラビなどのキーボード音源は全く同じように入っているみたいですが、エレキギター、バイオリンなどのストリングスのソロやトランペット、チューバなどラッパ系のソロは入っていないので、そこでの質の高い音質を求めることは厳しくなります。

エフェクトも高品質を搭載

内臓音色をエフェクトを使って加工したいという方には高品質エフェクト搭載は嬉しいですね。エフェクトも音色を作るためのエフェクトだけでなく、楽曲制作に必要なリバーブやコンプレッサー、リミッターなども入っております。

他のシンセとは違うポイントが「DJなどで使用されるエフェクトを搭載」です。

こちらがDJ系のエフェクトです。

BIT CRUSHやLOOPER、スライサーなどが搭載されています。ライブパフォーマンスとしても使えますし、楽曲制作の際にも使えるので楽曲の幅が広がります。スライサーは個人的にDTMで作曲の時にけっこう使うので、同じことがライブやシーケンサーでできるのはありがたいですね。

使いやすいシーケンサーとDAWとの連動性

楽曲制作する上で非常に大事になってくる部分です。まずはシーケンサー部分をご紹介。こんな感じの画面です。

使いやすい使用になっており、フレーズ作りはDAWソフトよりも簡単かもと思うこともありました。ひらめいたフレーズをどんどん重ねていくループレコーディングもできるので、MTRなどを使い慣れている方にもオススメです。

「シンセで楽曲の土台を作って完成はDAWソフトでさせたい。」という方にはFA-06,08のDAWソフトとの連動性は非常に魅力的です。シーケンサー内で完成したフレーズなどをMIDIデータでパソコンに送ることができます。MIDIで作成したものをオーディオデータに変換することがFA-06、08だとできるので、オーディオデータにしてからパソコンに送ることもできます。オーディオデータへの変換ができるので、オーディオデータを作りサンプラーに割り当ててライブパフォーマンスで自分の作ったフレーズが使えるようになります。画期的ですね。DAWとの接続も簡単でFA-06に「DAW CONTROL」ボタンがあり押すとこんな画面になります。

これでお使いのDAWソフトを選択していただくシンプルかつ簡単な設定です。

16個のパッドがついたサンプラー

パネル右側に16個のパッドがあります。これをトリガーにするサンプラー機能があり、16個×4バンクで64個までのオーディオデータを割り当てられるようになっています。64個あったら文句なしです。6bit/44.1kHzという制限はあるものの、サンプリング時間に制限はないので気にせず色々な音をサンプリングすることができます。オーディオデータもSDカードなどで簡単に取り込むことができます。

またエディットができるので、時間の長いオーディオ素材を取り込んでも使いたい部分だけを抜粋することができます。

サンプラー部分はDJ機材で有名なSP-404のノウハウが搭載されています。ただ単純に「サンプラーのっけてみましたー。」ではなく、プロも愛用しているSP-404の良さをしっかりと継承しています。

キーボーディスト代田の使ってみた感想

DAW用のMIDI音源機能、シンセサイザー、シーケンサー、サンプラー、高品質エフェクトなどなど・・・かなり色々なことができるシンセサイザーです。色々ができるだけでなくその全てが高水準というのが、このFA-06、08の魅力ではないでしょうか。INTEGRA-7やSP-404などRolandが作り上げてきた名機の良いところをしっかりと継承していると思います。そこにJUNO DiやJUNO Giなどの使いやすさをプラスして、初心者の方にも使いやすい仕様になっており、非常にコストパフォーマンスの高いシンセです。

記事冒頭のサウンドエンジンの部分でもご紹介していますが、バイオリンなどのストリングスのソロやトランペット、チューバなどラッパ系のソロはINTEGRA-7の音ではないので、やはりそこは足りないかと感じました（この価格なので仕方ありません）。この部分が気になる方は、INTEGRA-7やJUPITER-50をぜひ試奏していただくと、満足していただけるかと思います。

島村楽器デジタルカガジェット情報専門サイト『デジランド』にもFA-06の記事がございます

ホームページはこちら↓

http://info.shimamura.co.jp/digital/review/2014/02/19350

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担当	代田（しろた）